結婚式まで9日|絶食生活と病院内トレーニングで前向きに

前回までの流れ
大学病院に運ばれ、精密検査の結果「悪性の可能性が高い」と告げられた私。
家族が集まり、先生が説明をしてくれました。この病気があったからこそ、結婚式前に私の母と夫の両親が顔を合わせる機会がもてたのは、不思議な巡り合わせでした。
人工肛門の手術の可能性もゼロではなく、不安を感じる夜。
けれど、先生の真摯な姿勢と、私の信仰である聖書のことばが、心を支え希望を与えてくれました。
「あなた方の経験した試練はみな、人の知らないものではありません。神は真実な方です。あなた方を耐えられない試練にあわせることはなさいません。むしろ、耐えられるように、試練とともに脱出の道も備えていてくださいます。」
(コリント人への手紙 第一 10章13節)
意味:私たちが経験する試練や困難は、決して一人だけの特別なものではなく、多くの人が似たような状況を経験しています。また、私たちが耐えられないほどの重さは与えられません。神は困難と一緒に、それを乗り越えるための道も必ず用意してくださっている、という励ましのことばです。
「それを聞いて、イエスは言われた。この病気は死で終わるためのものではなく、神の栄光のためのものです。それによって神の子が栄光を受けることになります。」
(ヨハネの福音書 11章4節)
意味:病気や困難は、ただの終わりではなく、そこから神の偉大な働きが現れるきっかけとなるということを示しています。イエス・キリストはラザロの病気と死、そして復活を通して、この真理を教えました。私たちの状況がどんなに困難でも、希望を持てることばです。
「しかし、わたしはあなたのために、あなたの信仰がなくならないように祈りました。ですから、あなたは立ち直ったら、兄弟たちを力づけてやりなさい。」
(ルカの福音書 22章32節)
意味:苦難を乗り越えて立ち直った人は、その経験を通して他者を励ます力を持つことができます。自分自身の経験は、他の人の支えとなり、希望を与える源になる、ということを教えていることばです。
これらのことばを胸に、なんとか眠りにつきました。
翌朝の検査で、腫瘍は手術で切除できることが分かり、大きな安堵を得ました。
絶食生活の始まり
前日までは痛みと疲労で食事どころではありませんでしたが、ここからは本格的に「絶食」が始まります。
腫瘍が大腸を塞ぎ、消化物が通るだけで危険だからです。水以外は口にできず、栄養は点滴で補う毎日。
病室の外から漂ってくる食事の匂いが、これほど切なく感じられたのは初めてでした。
ただ、楽天的な私は心のどこかでこう思っていました。
「結婚式までにあと3キロ痩せたいと思ってたのに、まさかの強制断食!?しかも栄養士さんに管理してもらえるなんてラッキーかも(笑)」
夫のお父さんも電話口で冗談交じりに励ましてくれました。
「断食なんて、なかなか経験できないことだよね。イエス様も祈りのときに断食されたんだし、結婚式前のダイエットにもなるし、良かったね」
もちろん病気を軽く見ての言葉ではなく、先を一緒に見ようとする温かい励ましでした。

迫る結婚式。9日後に歩けるの?
点滴を受けながらも、頭をよぎるのは結婚式のことばかり。
「9日後、本当にバージンロードを歩けるんだろうか?」
仕事関係の連絡は夫がすでに調整してくれていて、「大丈夫!俺から伝えてあるよ」と言ってくれたのは大きな安心でした。
でも、体力はまだ戻らず、現実は病室のベッドの上。準備万端の結婚式とのギャップに、焦りが募りました。
そこへ先生が病室に来て、驚くことを告げました。
「結婚式に私も同席できることになりました。当直を交代してもらったんです。プライベートとしての参列になりますが、状態を見ながら同席できますよ」
私と夫は顔を見合わせて、涙が出そうになりました。
「先生がいてくださるだけで安心です。どうかよろしくお願いします」
手術と退院後の生活に向けた体力づくり
絶食生活と入院生活で、体力の低下は避けられませんでした。
調子が悪くて点滴もつながっているので、思うように動くこともできず、病院の外に出ることもできません。
それまでの私は、運動習慣がありました。体力づくりには気を使っていた方です。
手術後や退院後の回復において、この過去のトレーニングが大いに役立つことを実感することになります。
具体的には、以下のような生活を送っていました:
- 週2回、30分のパーソナルトレーニング
- 週1回、80分のダンスレッスン
- 朝晩10分程度のヨガでストレッチ
- 通勤は自転車で片道約20分
これだけの運動習慣があったおかげで、体力のベースは少しずつ保たれていたのです。
入院中の運動の工夫
運動できないと、ストレスがたまるだけでなく、姿勢が悪くなったり、疲れやすくなったりします。
「入院中にどうやって体力を保つか?」と悩んでいた私に、先生からの提案がありました。
「体力が落ちないように、リハビリも入れましょう。整形外科に繋いでおきます。」
こうして、病院内でも筋トレや軽い運動を継続できる環境が整いました。
限られたスペースと時間の中でも、少しずつ体を動かし、手術後・退院後の生活に備えることができるのは、大きな安心でした。
思いがけない困難と向き合う力
人生は予定通りにはいきません。
結婚式という晴れ舞台の直前に病気と闘うことになるなんて、誰が想像できたでしょうか。
でも、このときに家族や彼にどれほど支えられたかは、言葉では言い尽くせません。
「兄弟たちよ。困難に会うときは互いに慰め合い、互いに励まし合いなさい。」
(テサロニケ人への手紙 第一 5章11節)
意味:順調な時だけでなく、困難の中でこそ、支え合うことの大切さを知ることができる、ということを示しています。人は一人では乗り越えられないことも、互いに励まし合うことで前に進めるのです。
投稿者プロフィール

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37歳で婚約し、38歳で迎えた初めての結婚式の準備真っただ中に、大腸がんが見つかり大学病院へ緊急搬送されました。
ステージ3Bと診断され、手術・40日間の絶食、3カ月間の抗がん剤点滴治療を経験。
がんを抱えたまま挙式のために3日間の一時退院したことなど、闘病記を綴っています。
アラフォーに近づき、結婚に至るまでの恋愛で悩み、挫折した経験。
そして突然のがん闘病生活から始まった新婚生活。
私の経験が、同じように悩む読者の励みになれば幸いです。






