結婚式直前、病院から外出許可が出た日 ー安堵と覚悟が同時に訪れた瞬間ー

一時退院は「体調次第」 ー 揺れるスケジュールの中で ー
結婚式が近づくにつれ、具体的な一時退院のスケジュールが少しずつ見えてきました。
というのも、一日一日、私の体調がどこまで保てるのか分からない状況だったため、主治医の先生がその都度様子を見ながら判断してくださっていたからです。
また、一時退院して結婚式を終えた後には手術が控えていたため、その手術日程との調整も必要だったのだと思います。
さまざまな事情が絡み合う複雑な状況の中で、先生が私たちの入退院の予定を丁寧に整理し、組み立ててくださったことは、本当にありがたいことでした。
想像を超えた「3日間の外出許可」
当初の予定では、結婚式当日の朝、もしくは前日の夕方に退院し、式を終えたらそのまま病院へ戻る、というものでした。
ところが、思いのほか体調が安定していたため、式を含めて前後1日ずつ、計3日間の外出許可をいただくことができたのです。
挙式は土曜日。
金曜日の朝に一時退院し準備を整え、土曜日に結婚式を迎え、日曜日までゆっくり過ごし、月曜日に病院へ戻る──そんなスケジュールを、先生が整えてくださいました。
さらに驚いたことに、日曜日は先生のお休みの日にもかかわらず、プライベートで様子を見に来てくださるという、この上ないご配慮までいただくことになりました。
3日間の外出を支えた、体調の小さな変化
3日間の一時退院が可能なところまで体調を整えられたことは、本当に感謝しかありません。
ここからは、その背景にあった体調の変化について書いておきたいと思います。
点滴が外れ、栄養の取り方が変わった日
まず、首の大動脈から入れていた点滴ですが、数日後に腫れが出てしまい、外すことになりました。
その後は、腕の血管から入れられる範囲のカロリーの栄養剤へと切り替わりました。
さらに検査の結果、大腸が完全閉塞しておらず、薬によって排泄物が液状になり、流れていることが確認されました。
そのため、飲むタイプの栄養剤が処方され、完全な絶食状態から、口から栄養を摂取できるようになったのです。
これは、私にとってとても大きな変化でした。
「口にできる」ことの喜びを知る
お腹の中で固形物になってしまうことが最も危険だったため、口にできるものは医師から指定されたもののみでした。
水、固形物を含まないジュース、コーヒーやお茶も少量なら可。
栄養ドリンクは1日3回。胃ろう用のものですが、経口摂取も可能なものでした。
甘ったるい味で苦手な方も多いそうですが、幸い私にとっては美味しく感じられました。
何も口にできなかった日々を経て、
「味のあるものを口にできる」ことが、これほど大きな喜びなのかと、心から感動したのを覚えています。
栄養ドリンクで楽しんだ、ささやかな「食事時間」
この栄養ドリンクには10種類ほどのフレーバーがあり、看護師さんがいろいろと持ってきてくれました。
フルーツ系から、ヨーグルト、コーヒー、さらには梅味やカレー味まで。
他の患者さんの食事の匂いがつらいときには、カレー味や梅味を選び、少し多めの水で割って、30分ほどかけてゆっくり味わっていました。
フレーバーに飽きると、2種類を混ぜてオリジナルを作るのが密かな楽しみになっていました。
食間には、ホットコーヒーを飲みながらの読書時間もありました。
外出許可につながった「経口摂取」という希望
この栄養剤を口から摂取できるようになったことが、3日間の外出許可につながりました。
外出中は点滴を外すため、栄養を取れない時間が長くなることが懸念されていました。
しかし、経口摂取が可能であることが確認できたため、栄養管理の面で大きな問題はなかったのです。
(それでも1食300キロカロリー程度なので、1日に必要な量を完全に満たしていたわけではありません。)
花嫁として、できる範囲で整えた体と心
タンパク質不足の影響か、肌の調子が悪く、どれだけ保湿しても手がカサカサになってしまうことが気になっていました。
けれども、手術後に食事が再開されるとすぐに改善し、食事を摂ることの大切さを改めて実感しました。
病室は1日中エアコンが効いているため、とても乾燥します。
結婚式前の花嫁であれば、美容ケアを十分に行うのだと思いますが、それができなかったため、せめてできることを、と思い、夫に家からフェイススチーマーを持ってきてもらいました。
病室の乾燥対策としてフェイススチーマーと朝晩のフェイスマスクでの保湿ケアを欠かさず行い、さらに血流を良くすることで血色が良くなることを期待して、部屋での軽い筋トレも続けていました。
「完璧」ではなくても、
「今できる最善」を積み重ねる時間でした。
シャワーの時間が教えてくれた、日常の尊さ
そういえば、入院して5日目あたりから体調が整い始め、シャワーを浴びることもできるようになりました。
リハビリでしっかり体を動かした後に浴びるシャワーは、まさに至福の時間でした。
シャワーって、こんなに気持ちがよかったのだろう。
これまで当たり前にしてきた日常の一つひとつが、こんなにもありがたく、尊いものだったのだと気づかされました。
与えられてきた日々の恵みを思い返しながら、心からの感謝をささげていたことを、今でもよく覚えています。
当たり前だった日常の一つひとつが、
こんなにもありがたいものだったのだと、深く心に刻まれました。
結婚式に向かう、静かな準備の日々
こうした、ささやかに見える体調の変化を重ねながら、
私は結婚式に向けての日々を過ごしていました。
投稿者プロフィール

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37歳で婚約し、38歳で迎えた初めての結婚式の準備真っただ中に、大腸がんが見つかり大学病院へ緊急搬送されました。
ステージ3Bと診断され、手術・40日間の絶食、3カ月間の抗がん剤点滴治療を経験。
がんを抱えたまま挙式のために3日間の一時退院したことなど、闘病記を綴っています。
アラフォーに近づき、結婚に至るまでの恋愛で悩み、挫折した経験。
そして突然のがん闘病生活から始まった新婚生活。
私の経験が、同じように悩む読者の励みになれば幸いです。






