結婚式当日の朝。雪に包まれたホワイトウェディングの始まり

いよいよ結婚式当日の朝。
昨晩からよく冷えるな、とは感じていましたが、カーテンを開けて外を見た瞬間、思わず息をのみました。
窓の外は、まさかの雪景色。

前日の準備のときにも少し雪がちらついていましたが、まさか当日の朝まで降り続くとは。
交通状況を思うと正直少し心配もありましたが、それ以上に「結婚式に雪」という特別感が胸を満たしました。
忘れられない一日になる、そんな予感がして、自然と心が弾んだのを覚えています。
まさに、ホワイトウェディングの朝でした。

名古屋は、冬でも雪が頻繁に降る地域ではありません。
けれど、2月の結婚式。降っても不思議ではない季節です。
フィアンセ(夫)は事前に天気予報を見て、スタッドレスタイヤのレンタカーを手配してくれていました。
ここでも、彼のファインプレー。
この数週間、私は入院生活の中で「守られている」という感覚を何度も味わっていましたが、この朝もまた同じでした。

実はこの結婚式、数週間前まで「本当に迎えられるか分からない」状況にありました。
私は入院中で、結婚式のあとには手術も控えていました。

病室で迎える朝は、いつも静かで、時計の音と点滴の音だけが流れていました。
そんな日々を過ごしていたからこそ、自宅で、結婚式当日の朝を迎えられたこと自体が、すでに奇跡のように感じられたのです。

「今日を迎えられた」
その事実が、胸の奥で何度も静かに響いていました。

私はこの時、まだ絶食中でした。
普通の朝食は取れませんが、栄養ドリンクと水があれば、それで十分でした。

顔を洗い、静かに身支度を整え、栄養ドリンクを一口飲む。
それだけで「今日を生きている」という感覚がありました。

入院前なら、結婚式当日の朝はもっと慌ただしく、緊張や不安でいっぱいだったかもしれません。
でもこの朝は違いました。
一つひとつの動作を、噛みしめるように大切にしていたのです。

道路には雪が積もっていたため、いつもより早めに家を出る必要がありました。
ヘアサロンの予約は朝6時半。
ブライダルヘアメイクをしてから教会へ向かい、午前中には顔合わせやリハーサルが控えています。

とはいえ、ヘアメイクをすべてプロに任せられるとなると、花嫁の朝の準備は驚くほど早いものです(笑)。
さらに私は絶食中。
朝食をとることができなかったので、栄養ドリンクと水さえあれば、それが私にとっての「朝ごはん」でした。

顔を洗い、栄養ドリンクを飲み、静かに支度を整える。
一方でフィアンセは、当日持っていく荷物の最終確認、車の準備などで朝から慌ただしく動き回ってくれていました。
その姿を見て、「いよいよ今日なんだな」と実感が湧いてきました。

朝6時半、ヘアサロンに到着。
そこには、ブライズメイドをお願いした二人の友人がすでに来ていて、ヘアメイクが始まっていました。
ホテルから徒歩5分ほどの距離だったため、先に入って準備を進めてもらっていたのです。

久しぶりの再会。
「おはよう」「体調は大丈夫!?」「大変だったね」「ついに今日だね!」
そんな何気ない言葉が、胸にじんわりと染みていきました。

母と義理の母も同じサロンを予約していたため、フィアンセは私をサロンに降ろしたあと、母を迎えに行き、その足で私のヘアにつけるブーケと同じ花を、ブーケを制作してくれている牧師夫人のご自宅まで受け取りに行ってくれました。
当日の朝とは思えないほど、たくさんの人がそれぞれの役割を担い、静かに、確実に、結婚式へ向かって動いていました。

ブライダルメイクとヘアセットは、人生で初めての経験でした。
どんな仕上がりになるのだろう、と鏡を見る前から心が高鳴ります。

本来であれば、結婚式場のパッケージに含まれていることが多いブライダルヘアメイク。
けれど私たちは、一般のキリスト教会で式を挙げるため、自分たちでサロンを探し、予約を入れる必要がありました。

条件は、
・早朝6時台から対応してもらえること
・複数人が同時に準備できること
・会場へ移動しやすい場所であること

探してみると、意外にも選択肢は多くありません。
予算や評判も考慮し、最終的に決めたのは、クリスチャンの友人たちも利用していた信頼できるサロンでした。

私は、華やかでゴージャスなスタイルよりも、すっきりとしたシンプルなヘアがいいと思っていました。
メイクもナチュラルで、作り込みすぎないものを。
事前にいくつも画像を集め、イメージを共有していたこともあり、担当の方はとても手際よく、安心感のある進行で仕上げてくださいました。

婚約式のときにも同じサロンを利用していたため、雰囲気や好みを理解してもらえていたことも、大きな安心材料でした。
大切な一日のヘアメイクを「信頼できる人」に任せられることが、どれほど心強いか。
この朝、改めて実感しました。

ヘアメイクを終え、全員で車に乗り込んで教会へ向かいます。
この送迎も、フィアンセがすべて段取りしてくれていました。

車内では、母とブライズメイドの友人が顔合わせをし、和やかな会話が流れていました。
もう一人の友人は英語が母語のため、英語が堪能な夫の家族の車で向かうことに。

窓の外には、静かに降り続く雪。
その景色を眺めながら、私はふと思いました。

入院していた数日前、病室の天井を見つめながら「本当に今日を迎えられるのだろうか」と思っていた自分。
それが今、こうしてドレスを着て、家族と友人に囲まれ、結婚式へ向かっている。

不安が消えたわけではありません。
手術を控えている現実も変わっていません。
けれどこの朝、私の心は確かに前を向いていました。

こうして、結婚式当日の朝は静かに、けれど確かな喜びと共に進んでいったのです。

投稿者プロフィール

Risa
Risa
37歳で婚約し、38歳で迎えた初めての結婚式の準備真っただ中に、大腸がんが見つかり大学病院へ緊急搬送されました。
ステージ3Bと診断され、手術・40日間の絶食、3カ月間の抗がん剤点滴治療を経験。

がんを抱えたまま挙式のために3日間の一時退院したことなど、闘病記を綴っています。

アラフォーに近づき、結婚に至るまでの恋愛で悩み、挫折した経験。
そして突然のがん闘病生活から始まった新婚生活。

私の経験が、同じように悩む読者の励みになれば幸いです。