結婚式前日、病室で迎えた一時退院の朝。10日ぶりに外の世界へ踏み出した特別な1日

いよいよ結婚式前日。
一時退院の日を迎えました。

久しぶりに外に出られる──
その事実だけで、胸の奥からワクワクが込み上げてきたのを、今でもはっきり覚えています。

とはいえ、すぐに病院を出られるわけではありません。
退院に必要な書類の整理や、会計を一度締めるための手続きなど、現実的な作業が朝から待っていました。

まずは、いつも通りの朝の簡易検査。
状態に問題がないかを確認した後、点滴を外し、会計処理へ。

前の記事でも触れましたが、保険請求に必要な明細書はすべて保管。
入院費は一度立て替えて支払う必要があり、10万円を超える金額でした。

それにしても、日本の高額療養費制度は本当にありがたい。
これだけの処置を受けていて、この金額で済むとは、正直もっとかかると思っていました。

また、大学病院に搬送される前に緊急対応していただいた医院の会計は、夫が後日対応してくれました。

すべての手続きを終え、荷物をまとめて病室を出る。

フィアンセが車で迎えに来てくれました。
私たちは車を持っていないため、この期間はガッツレンタカーで1か月借りていました。
病院への行き来、結婚式準備、荷物の運搬…本当に大活躍でした。

そして──
10日ぶりの外。

冬の冷たい空気さえ気にならないほど、心は軽く、胸は高鳴っていました。

病院にいる間、外の景色を見ることはほとんどありませんでした。
地図で見ても、実感が湧かなかった場所。

車で走りながら、
「こんなところに入院していたんだ…」
と、不思議な気持ちになりました。

気づいたら知らない場所に運ばれ、
気づいたらここで、人生の大きな節目を迎えようとしている。

少し不思議で、でも確かに現実でした。

病院には、夫と義理の弟が来てくれていました。
まず向かったのは、朝に到着した母を迎えるための駅。

母をピックアップした後、
・レンタルしていたドレス小物の受け取り
・そのまま会場となる教会へ移動し、最終打ち合わせ

この日は雪がちらつく、今年一番の寒さ。
それでも教会は暖かく、翌日手伝ってくださる方々が、すでに準備を始めてくれていました。

司式をしてくださる牧師と、会場装花を担当してくださる奥さんも到着し、セッティングが進んでいきます。

まずは、私の体力が持つうちに、カメラマンさんと撮影構図の確認。
翌日スムーズに進めるためです。

その後も打ち合わせは続きましたが、お昼頃にはさすがに体力が限界に。
私は車で休ませてもらうことにしました。

義理の弟が近所のお弁当屋さんで、スタッフの皆さん用のお弁当を買ってきてくれ、みなさんは教会で食事を済ませてくれました。

夫と義理の弟が準備してくれていたプチギフト。
参列者は約200名を想定していました。

お菓子、夫の出身国の民芸品、
そして私が病室で準備したプロフィールブック。

それらが一つひとつ丁寧にセットされ、受付に並ぶ光景を見たとき、
「ああ、本当に結婚式を迎えるんだ」
と、胸がいっぱいになりました。

一度家に戻って着替えた後、母と一緒に美容室へ。
これが、結婚式前にできた唯一の美容ケアでした。

カットとカラー、伸びていたジェルネイルをオフして、マニキュアで整える。
本当はウェディング用のジェルネイルもしたかったけれど、術後の長期入院を考えて断念。

美容師さんたちも事情を知り、とても喜んでくださいました。
「結婚式を迎えられてよかったですね」
その言葉に、私も心から嬉しくなりました。

夕方、どうしてもしておきたかったことがありました。
それは、バレンタイン用のチョコレートを夫のために選ぶこと。

結婚式は2月8日。
その後すぐに病院へ戻るため、当日は買いに行けません。

母とデパートに寄り、夫の迎え場所を変更してもらい、無事購入。
思った以上に動けたので、母にはホテルで休んでもらい、私は一人電車で自宅へ向かいました。

久しぶりの地下鉄。
それだけで、なぜか心が弾んでいました。

その頃、夫は翌日の準備で走り回っていました。
備品の買い出し、親族や友人の送迎の段取り…。

それでも夜は早めに切り上げ、家で過ごすことに。

私は栄養剤を温かいお湯で割って飲み、フェイスパックをして早めに就寝。
夫になるフィアンセは、気になることを一つずつ確認しながら、静かに前夜を迎えていました。

投稿者プロフィール

Risa
Risa
37歳で婚約し、38歳で迎えた初めての結婚式の準備真っただ中に、大腸がんが見つかり大学病院へ緊急搬送されました。
ステージ3Bと診断され、手術・40日間の絶食、3カ月間の抗がん剤点滴治療を経験。

がんを抱えたまま挙式のために3日間の一時退院したことなど、闘病記を綴っています。

アラフォーに近づき、結婚に至るまでの恋愛で悩み、挫折した経験。
そして突然のがん闘病生活から始まった新婚生活。

私の経験が、同じように悩む読者の励みになれば幸いです。